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第6話 「ウィニングエッジ」


 

 

読者の皆さんへ このパートは 隆彦と利広 タカ&トシ(ちょっと古いかな?)の会話形式でお楽しみください

 

      トシ「じゃまず最初に聞くけど日本一高い山はなんだい?」

      タカ「おいトシぃ バカにすんなよ。 富士山に決まってるじゃん」

      トシ「それでは世界一高い山はなんでしょう?」

      タカ「エベレストだよ。だいたいそんなことプロセスマネジメントに関係あんの?」      

      トシ「まぁまぁ 落ち着いて。」

      トシ「では日本で二番目に高い山は?」

      タカ「え?」

      トシ「はい次 世界で二番目に高い山は?」

      タカ「は? そんなん知るわけないでしょ」

 

      トシ「日本で二番目は北岳 世界で二番目はK2です」

      タカ「北岳?初めて聞くなぁ K2はなんとな〜く聞いたことがあるような」

      トシ「ね 一番は知ってるけど 二番ってほんと知らないよね」

      タカ「ま 確かにそうだな 一番と二番の差って歴然だな」

      トシ「ちなみに 世界一のエベレストは8848メートル 二番のK2は8611メートル」

      タカ「えーっ! ほぼ一緒じゃん」

      トシ「そうだね その差をパーセントで表すとたった2.7%なんだ」

      タカ「それだけ?」

 

      トシ「そう、米国の経営コンサルタント、ブライアン・トレーシーは 『ほとんどの場合1位と2位の結果の差は 2〜10倍あるが、その能力の差は3%程度』と言っているね。」

      タカ「やっぱ 2位じゃダメなんだ」

 

      トシ「2位も立派な成績だけどね。肝心なのはたった3%の差で1位と2位が決まるって事でさ、まるでテニスのインとアウトが白線の外側のヘリにボールがかかるかどうかで決まることから、その差のことは『ウィニン グエッジ』と呼ばれているんだ。」

      タカ「なるほどね。そこが勝負の分かれ目。競馬だって鼻差で勝っても賞金は倍以上違うもんな」

         隆彦は競馬好きな店の板前、信一の話を思い出しながら妙な感心のしかたをした。

 

      トシ「そういうことさ。企業は常に3%でも勝率の高い方法をとり続けなくてはいけないって、ことだね。すし屋 を繁盛に導くプロセスも同じなはずだよ。」

      タカ「ふーん。一発勝負にかけるわけではないんだなぁ。」

      トシ「お?さすがタカ!理解が早いね。要するに勝率の高い『売れる仕組み』を作ってそれをまわしながらカイゼ ンを続けることが重要なのさ。じゃぁ次にいくよ」  

 

      隆彦がすっかり感心したことに気をよくした作田は、鼻をうごめかしながら講義を続けた。

 


(続く)

 


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