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「野部さん 昨日行ったお寿司屋さんから港校の申込書もらってきました。」
翌朝、出張前の野部をつかまえ、作田は早速切り出した。
「おお 昨日はお疲れさん。なんかそうなるんじゃないかと思っていたよ。」
野部は顔をほころばす。
「これまでいろんな業種の方に受けて頂いたけど、飲食の個店は初めてだね。」
「はい、でもあらゆる事業には営業的要素があるわけですからきっとうまくいくと思うんですよ。」
これは、ソフトブレーン・サービスに入って作田が心の底からそう思っていることである。
「そうだね、特にプロセスマネジメントを実践するお寿司屋さんなんて日本で、いや世界で初めてだろうから、めざましい効果が期待できそうだね。」
「・・それで・・・・港校はもう1回目が終わってますよね」
と作田は少し困った顔を作った。できれば野部か小松に3時間程度の個別指導をお願いしようかと思っていたのである。
「そうだね、他校で1回目受けてもらうのが原則なんだけど、あいにく東京近郊では港校が最後の日程だったしなぁ。 仙台がこれからだけど、お仕事柄あまり遠くに行ってもらうわけにも行かないよねぇ。」
野部も困った顔で少し遠くを見たあと、いかにも急に思いついたといわんばかりの笑顔になって作田を見つめた。
「そうだ、作田君。来週一日使って良いから、旧友に特別講義してあげてよ。」
「もうそろそろやってみても良いんじゃないかな?プロセスマネジメント財団の資格も持っているんだし・・・小松さんにもそう話しておくよ。港校は第3講まで小松さんが担当だから」
「え 僕がですか?」
思わぬ展開にたじろぎつつも、チャンスが巡ってきたことへのうれしさを隠しきれない作田は
「早速準備に取りかかります。会議室を使わせて頂いていいですね。」
と気持ちを切り替えるのだった。
(続く)
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